亡くなったことを知らせる
納棺を終えたら、親戚や友人、知人、近所の方などに、亡くなったことを知らせます。
亡くなった直後に連絡するのは、ごく身近な人たちにとどめ、そのほかの人には、通夜や葬儀の日程・場所が決まってから連絡するのが一般的です。
連絡する相手としては、親戚のほか、故人の勤務先や学校、友人、知人などが考えられます。
現在では電話やメールなどで知らせることがほとんどですが、かつては、実際に家々を訪ねて亡くなったことを知らせることもありました。
「二人使い」とは?
地方によっては、これを「二人使い(ふたりづかい)」といい、死亡の知らせを一人で伝えに行くのではなく、必ず二人一組で告げて歩く習慣がありました。
なぜ二人だったのでしょうか。
そこには、一人で死の知らせを伝えに行くと、死霊に取りつかれるという言い伝えがあったといいます。
しかも、二人で出かけた場合でも、決して後ろを振り返ってはいけないともいわれていました。
現在ではほとんど見られなくなった習慣ですが、死というものが、かつての人々にとってどのように受け止められていたのかがよく分かる風習ですね。
死亡に関する法的手続き
家族が亡くなった場合には、通夜や葬儀の準備と並行して、法律上必要な手続きを行います。
まず必要になるのが、医師から受け取る死亡診断書と、市区町村役場へ提出する死亡届です。
さらに、遺体を火葬するためには、火葬の許可を受ける必要があります。
死亡届と死亡診断書
病院などで亡くなった場合には、医師から死亡診断書が交付されます。
死亡届は、この死亡診断書と一体になった用紙になっており、必要事項を記入して市区町村役場へ提出します。
死亡届は、死亡の事実を知った日から7日以内に提出する必要があります。
事故などの場合には、死亡診断書ではなく死体検案書が交付されることもあります。
火葬に必要な手続き
死亡届を提出しただけでは、遺体を火葬することはできません。
死亡届とともに火葬許可申請を行い、火葬に必要となる火葬許可証の交付を受けます。
火葬許可証は火葬場へ提出し、火葬が終わると、火葬を行ったことを証明する記載がなされます。この書類は、その後、遺骨を墓地などへ納骨する際にも必要になります。
なお、実際には葬儀社が死亡届や火葬許可の手続きを代行してくれる場合もあります。
こうした法的手続きを進めながら、菩提寺や葬儀社、火葬場などと相談して、通夜・葬儀の日程を決めていきます。
喪主を決める
喪主(もしゅ)とは、葬儀を主催する遺族の代表者です。
喪主は葬儀だけではなく、その後のお墓の建立や納骨、法事など、故人の供養を中心となって行う立場でもあります。
かつては、親が亡くなった場合には長男、あるいはそれに代わる人が喪主を務めることが一般的でした。
しかし現在では、必ずしも長男が喪主を務めなければならないわけではありません。故人と近い関係にある人であれば喪主になることができるため、遺族を代表するのにふさわしい人を、家族や関係者で話し合って決めます。
また、喪主は故人に代わって弔問を受ける立場でもあります。
そのため、葬儀の細かな準備のために動き回るのではなく、基本的には故人のそばにいて、訪れた人からのお悔やみを受けます。
葬儀の進行や実務については、世話役や葬儀社などに任せるというのが、本来の喪主の役割です。
世話役を決める
喪主が決まったら、次に葬儀を実際に取り仕切る世話役(せわやく)を決めます。
喪主は故人のそばにいて弔問を受ける立場にあるため、葬儀の準備や進行などの実務をすべて行うことはできません。そこで、遺族に代わって葬儀の実務を担当するのが世話役です。
中心となる世話役代表は、葬儀のスケジュールを立て、喪主や親族と相談しながら、菩提寺や葬儀社との打ち合わせを行い、それぞれの係に指示を出します。
進行係
葬儀全体の進行を取り仕切ります。葬儀の経験があり、遺族の家庭事情にも詳しい人が望ましく、世話役代表が兼ねることもあります。
会計係
葬儀に関するお金の出入りや、特に香典の管理を担当します。お金を扱うため、資料では二人以上で担当することが望ましいとされています。
受付係
弔問客の受付や案内、香典や供物の受け取りを担当します。あとでお礼状などを送るため、会葬者の氏名だけでなく住所も記録します。
接待・台所係
僧侶や弔問客の接待、遺族や世話役の食事、通夜ぶるまいや精進落としなどの準備を担当します。
このほか、葬儀の規模によっては、案内係・配車係・庶務係などを設けることもあります。
現在では、こうした仕事の多くを葬儀社が担当することも増えています。
葬儀の日程を決める
喪主や世話役が決まったら、通夜・葬儀の日程を決めます。
日程を決める際に、まず確認しなければならないのが、菩提寺の僧侶と火葬場の都合です。
菩提寺にはできるだけ早く連絡を取り、住職の予定を確認します。また、火葬場の空き状況も確認し、両者の都合を調整しながら最終的な日程を決めます。
一般的には、昼間に亡くなった場合、その日の夜を仮通夜(かりつや)とし、翌日の夜に通夜、その翌日に葬儀・告別式を行います。
ただし、地域によっては、通夜の翌朝に出棺して火葬を行い、遺骨を持ち帰ってから葬儀・告別式を行うところもあります。
「密葬」と「本葬」
事情によって葬儀をすぐに行えない場合には、まず身内だけで葬儀を行って火葬し、後日あらためて正式な葬儀を行うことがあります。
この身内だけで行う葬儀を「密葬(みっそう)」、後日行う正式な葬儀を「本葬(ほんそう)」といいます。
資料では、出張先や旅先で急死して遺体をすぐに自宅へ運べない場合や、年末年始に亡くなり、会葬者への配慮から葬儀を延期する場合などが例として挙げられています。
また、故人や喪主の社会的地位が高く、社葬などの大規模な葬儀を行うために準備期間が必要な場合にも、密葬と本葬を分けることがあります。
友引を避ける
葬儀の日程を決める際には、昔から「友引(ともびき)の日は避ける」という習慣があります。
これは、「友引」に葬儀をすると、亡くなった人が友人をあの世へ引いていくと考えられ、縁起が悪いとされてきたためです。
「友引」は、もともと中国の陰陽道の「六曜(ろくよう)」に由来し、「共に引き合って勝負なし」という意味の「共引」が語源とされています。
それがいつの間にか「友引」となり、「亡くなった人が友をあの世へ引っ張っていく」という言い伝えが生まれたとされています。
つまり、友引を避けることは仏教の教えによるものではありません。
祭壇と遺影を用意する
祭壇は、現代では葬儀社によって用意されるのが一般的です。
また、祭壇に飾る遺影(いえい)の写真を用意します。
遺影には、できるだけ正面を向いていて、自然な表情をしており、故人の人柄が感じられる写真を選びます。
一人で写っている上半身の写真が適していますが、そのような写真がなければ、集合写真などから選んでもかまいません。
小さな写真やカラー写真でも、葬儀社で遺影用に加工してもらうことができます。
遺影は多くの人が故人を偲びながら目にするものです。その人らしさが伝わる一枚を選ぶとよいでしょう。


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